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サイドストーリー
第2章 嘘つきは恋の始まり
「いい加減にしてよ!何これ!」
「いや、半分本気、半分冗談だったんだ。まさかこのまま社内報に載せる勇気が
広報にあるとは思わなかった」

「上層部も読んでるんだよ!」
「だな」
「野口さん。出世に響くよ?」

そう言った私の顔を急に真面目な顔をして見つめてきた。

「冗談で答えたけど、内容は本気だよ。
別に上層部に読まれたって恥ずかしいことは言ってない。
それに。こんなことで出世が遅れるような仕事内容はしてない。
チコちゃん、心配し過ぎ」

「・・・・・」
「もっと俺を信用して」
「・・・・・」

「ほら。この写真。俺、かっこよく写ってるじゃん?」
「・・・・・」
「でも、社内でなんて言われるか」
「気にしなきゃいいんだよ。チコちゃんは俺のでしょ」
「・・・ん」

まだ不安な私をぎゅって抱きしめてくれた。

「あのさ?ラブラブも良いんだけど。就業中だから」
後ろの方から呆れた声がため息とともに飛んできた。
「山田。いいとこなんだから邪魔するなよ」

私は恥ずかしくなって野口さんを突き飛ばすように離れ
空の大きな台車をガラガラさせながら総務部まで戻って行った。

途中、廊下やエレベーターでひそひそと指をさされたのは言うまでもない。


END******



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