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狂人、淫獣を作る
第2章 捕獲
 後藤はその先端の二つの蕾に、ローターがぶら下がったクリップを取り付けた。クリップは挟む強さが調整できるもので、後藤は外れない程度の軽めの強さで挟むと、この二つのローターにも振動を流し込んでやった。
 「とっ、止めて……! 怖い、怖いっ……!」
 「お仕置きが怖くなくてどうする? 勉強にしっかり取り組まない君が悪い子だからだぞ?」
 後藤の言葉に、リナの大きな瞳がうっすら涙を浮かべ後藤に必死に許しを懇願していた。
 ――そうだ。その目だ。
 ――俺を満たすのは。
 後藤の体内の黒い渦はますます濃さを増し、全身を欲情が侵食していく。
 後藤はリナの眼鏡を外し、ボールギャグを噛ませて固定した。
 そして少し離れた位置にあるソファに深く腰かけ、足を組んでリナの様子を観察した。
 リナは後藤の方を訴えかけるような目で見ている。しかし眼鏡を奪われたリナには、後藤の表情が明確には見えていないだろう。くぐもった声で『怖い』と言い続けながら、止まることなく腹の奥の芯にまで流し続けられる初めての刺激にどう対応すればいいのか分からず、逃げたくても逃げられないために身体を不自然によじらせ続ける。
 一分。
 三分。
 五分。
 十分――。
 やがて、リナの腰が時おり、かすかだがピクッ、ピクッと動くようになってきた。
 ボールギャグ越しに不明瞭な声でローターの停止を訴えていたうめきも、徐々に湿り気を帯びた音色に変わってきた。
 二十分を過ぎた頃――
 リナは何かに耐えるような、苦しいような悶え声を上げ、全身をビクンッ、ビクンッ、と大きく跳ねさせた。
 ――来たな。
 制服姿のまま、押し寄せてくる快楽に抗えず、自らの意思とは関係なく動いてしまう少女の身体は、背徳的で可憐で、倒錯的で清純だった。
 全身の痙攣が一段落すると、後藤を見つめるリナの瞳は、潤みの中に明らかに『オンナ』の本能をのぞかせていた。それは現れては消え、消えては現れて、を繰り返した。
 ボールギャグからは唾液がポタポタ垂れ落ち、照明をキラキラと反射させながら床に小さな水たまりを作っていく。
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