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俺の妹
第33章 追憶
パンっーー!!




頬を殴られたと気づくのに少し時間がかかった。

「女だったそうじゃないか!」

帰ってすぐ夫は酷い形相で私を睨みつけ頬を殴ったのだ。

「ご……ごめんなさい……」

何で謝っているかもわからないまま私はひれ伏した。
そう、診断の結果は女の子だった。
ガックリと肩を落としながらも
初めての子ならば喜んでもらえるのではと
淡い期待を持っていたのが間違いだった。

「堕ろせ。
明日すぐに堕ろしてこい」

夫は顔色一つ変えずに恐ろしい言葉を口にした。

「ま……待ってください!
そんなこと出来ません!!」

私は泣いて懇願した。

「次は……!
次は男の子を授かりますからっ……!!

お願いしますっ!!
産ませてください!!」

必死に頼みこみ、やっとの思いで産んだその子を
私は椎奈と名付けた。
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