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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第9章 後宮艶夜*スキャンダル Prologue~幼い記憶~
Prologue~幼い記憶~

 軽やかな春の風が少女の髪を優しく撫でていた。少女が笑い声を上げ飛び跳ねる度に、彼女の漆黒の髪が華奢な身体に合わせて揺れるように踊る。そんな彼女を一面の牡丹が取り巻いている眺めは、まさに当代随一の絵師が仕上げた一幅の絵画のようでもある。
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