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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
 紫蘭はやや自嘲気味に呟いた。
「これで死ねと言われたの」
 翠容が涙声になった。
「何故ですか? 何ゆえ、太后さまが紫蘭さまにそのような無茶を」
 紫蘭は投げ出すように言った。口にするのも汚らわしい気がした。
「皇帝陛下が私を見初めたと太后さまは言われたわ。でも、私は陛下にお逢いしたこともないし、陛下のお顔も知らないのよ」
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