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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第19章       

「ヴィヴィ、僕を信じて。僕ならば君を表彰台の頂点に乗せてあげられるよ」

自らも勉学との両立、更には自身の五輪も掛った多忙なシーズン。

そんな最中にも関わらず、不甲斐無い自分を奮い立たせてくれるクリスから差し伸べられた手を、握らない理由など思い当らなかった。

ベージュの口紅を引いた唇が、きゅっと横に締まり。

そして意を決し頭を上げたヴィヴィは、暖かく頼もしい兄の手を両の手で握り返したのだった。




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