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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第22章     

ウィンドミルから入ったスピンは、レイバック → キャッチフット・レイバック → ワンハンド・ビールマンを高速で回り切り、観衆からは見惚れたと言わんばかりの吐息交じりの拍手が贈られていた。


Des nuits d'amour a plus finir
尽きる事の無い 愛に満ちた夜
Un grand bonheur qui prend sa place
大きな幸せが 心を占めて
Des ennuis, des chagrins s'effacent
憂鬱も悲しみも消えていく
Heureux, heureux a en mourir
幸せで 幸せで 死んでしまいそうなほど――


歌詞通り、両頬に掌を添え うっとりとしたヴィヴィが、柔軟性を生かし200度開脚したスパイラルで魅せ。

そしてすぐさま、助走へと舵を切る。


Quand il me prend dans ses bras,
貴方が私を腕に抱き寄せ
Il me parle tout bas
低い声で そっと囁く時
Je vois la vie en rose,
私の人生は 薔薇色になるの
Il me dit des mots d'amour
耳元で 貴方が囁く 
Des mots de tous les jours,
愛の言葉に満たされた日々
Et ca m'fait quelque chose
私の心は魔法にかけられていく


『演技後半に入ったね。いよいよ彼女の最大の武器が出るよ!』

実況のマッシミリアーノ・アンベーニの言葉に、解説のアンジェロ・ドルフィーンがたたみ掛ける。

『この3回転アクセルの入りを見て欲しい。勿論クリス選手との入り方は違うけれど、非常に難しい入り方だ』

画面に映し出されたヴィヴィの脚元は、バックワード・インサイド・ロッカー → フォワード・インサイド・カウンター、そしてチェンジエッジの後、前向きに踏み切った。

『Perfetto(パーフェクト)! 男子にも引けを取らぬアクセル!! さすが、クリス選手がジャンプコーチを務めているだけある』

『GOEも凄い事になっているね』

実況席が唸り声と共に舌を巻く中、SP最後のジャンプへと入るヴィヴィ。

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