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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第22章     

「……クリスの……ばか……」

心の内とは真逆の事を呟いたヴィヴィは、これでもかと その頬を抓ってやった。

耳も引っ張ってやった。

ついでに脇もくすぐってやった。

でも、起きない。

起きる訳がない。

だって自分の双子の兄は、そんじょそこらの起こし方じゃ起きないのだから。

「……私だって、クリスのこと、解ってるんだからね……」

そう負け惜しむように呟いた唇が、前髪から覗いた額に落とされる。

ピクリともしない男をよそに、ヴィヴィはキスを落としていく。

ツンと尖った鼻先。

繊細さを引き立たせる頬。

意外と地獄耳の耳介。

妹の醸し出す些細な異変も、すぐに見抜いてしまう瞳。

そして、いつも自分が欲しい言葉をくれる そこ。

なのに、


『私にキスして、クリス』


そう強請っても、絶対にくれなかった、その唇へも。

ちゅ と軽いリップ音を立て、双子の兄の唇を奪ったヴィヴィ。

その行為には、罪悪感も、羞恥心も無かった。

もちろん、心が震える――なんてことも。

(もし起きている時に こうしてたら、きっと……。二人とも、壊れちゃった、んだろうね……)

ぴくりとも覚醒しないクリスの薄い唇を、口角から膨らんだそこまで、指先で擽りながら辿ったヴィヴィ。

そして、もう一度。

ゆっくりと腰を屈めたヴィヴィは、自分の長い髪が兄の頬を擽るのを遮ることもせず、

己のものと瓜二つの薄い唇を、そっと食む。

自分のそれで軽く引っ張り、微かに開かれた唇の合わせに、更に唇を重ね合わせる。

自分の唇を押し返すのは、確かに男の張りのあるそれ。

ちゃんと生きている、体温も体液ももった相手と交わしているもの。

これが口付けでなければ、何が口付けだというのか。

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