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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

 双子の兄のベッドに眠っていた筈の自分は、

 何故か、

 見た事も無い大きなソファーに居て。

 そして、

 自分を股の間に抱きかかえ、

 両腕でしっかり拘束したまま、器用に熟睡している、
 
 その男――

 起き抜けで、かつ、泣いて腫れ上がった目蓋が、

 これ以上無いほど見開かれる。

「………………」

 視線の先、

 無防備な寝顔を曝しているのは、
 
 遠く離れたエディンバラにいる筈の、

 篠宮家の長男。
 


 篠宮 匠海――その人だった。






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