この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

『ふふっ 分かったわ。前向きに検討するわ』

 自分と “犬猿の仲” と称される彼女が、笑顔と共に手応えありそうな返事をくれたのが嬉しくて。

『じゃ、よろしく。あ、そだ。銀メダル、おめでとう!』

 やっぱり無表情で、国別対抗戦の米国の健闘を称えれば、

『あなたも、金メダル、おめでとう。次は負けないわ』

 女子シングルの順位では、ヴィヴィに継いで2位に甘んじた リー選手の宣戦布告に、

『…………、ヴィヴィもっ!』

 一瞬、ぽかんとしたヴィヴィは、最後にはそう元気良く、ライバル心を燃やしたのだった。

 ――勿論、無表情で。



 そんなこんな なやり取りからスタートした、ヴィヴィ と アンとの仲。

 互いにメッセージのやり取りでしか繋がっていなかったが、今日やっと、4ヶ月ぶりに会う事が出来た。

「ヴィヴィ! 遅いよっ クリスはもう来てるのに」

 中国系アメリカ人であるヴィヴィアンは、黒髪で顔付きもアジア人。

 まるで生徒会長の様に、品行方正な事を言ってくるヴィヴィアンに、

「あ~、ごめんごめん。小難しい事考えてたら、時間掛かっちゃったぁ、てへ?」

 まったく悪びれる様子無く、両手を合わせて笑って誤魔化したヴィヴィ。

「うきゃ~! 真緒ちゃんだっ 遠いところ、ご足労 感謝ですぅ♡」

「あっ 新婚ほやほやの結弦君だっ 奥さんも一緒に来たの~?」

 きゃあきゃあ騒がしいヴィヴィに、クリスが紹介してくれたのは、

「ヴィヴィ……。こちら、フェルナンデシの彼女さん……」

「うわあ、初めましてっ 超美人さん♡」

 ショーの為に世界各国から集まってくれた名スケーター達を、双子は暖かくテンション高く迎えたのだった。




 日本の宮田 賢二によるグループナンバーを、必死こいて頭に叩き込んだ面々。

 前日の夜は大会関係者を交えての、懇親会ディナーの場が持たれ。



 そうして、8月30日(水)。

 Twinkle ICE in LONDON の幕は開かれた。


/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ