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第7章 　 　 　

　自分は妹。

　ただの、妹。



　あの男は兄。

　自分と血の繋がった、実の兄。

　それ以上でも無く、それ以下でも無い。



　そして、

　匠海は他人の夫・父。



　だから、求めても、

　その先には何も無い。

　希望も、未来も、祝福も、

　もちろん保証も、何も無い。



　罪に手を染めてはならない。

　同じ過ちは繰り返してはならない。

　周りを裏切ってはならない。

　そんなこと、

　小学生だって知っている道徳。



　互いの為にも、周りの為にも、

　離れている現状が　“最善”　であるという現実は、

　もう嫌と言うほど、

　身を以て、理解したでしょう――？



　くるりと踵を返したヴィヴィは、バスルームで手早くワンピに着替え。　

　カードキーとスマホを手に、部屋を後にしたのだった。