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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

 本当は根っからの怖がりで。

 管理人が定期的に清掃はしてくれていても、長く人が使用していなかったであろう 広大な別荘の1室で寝るのなんて、実は恐怖ばかりなのだけれど。

 恐々と歯磨きを済ませベッドの1つに潜り込んだヴィヴィは、おもむろに両の掌を合わせると「パチン」と1つ、柏手(かしわで)を打った。

 以前、テレビか何かで

「霊がいそうな気配があるホテルでは柏手を一つ叩けば、ある程度清めることが出来る」

と眉唾ものの怪しい情報を仕入れていたのだ。

(今の私は “お化け” なんかより “生きてる人間” のが怖いんじゃぁ~~っ!!)

 若干酒が回っているのか、そう心の中で喚いたヴィヴィは、ルームライトを最小限にまで絞り。

 そして、先程までの憂鬱は何処へやら。

 疲労と酔いに引きずられ、目を瞑った1分後には泥の様な深い睡眠へと堕ちていたのだった。






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