この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

 結局そのまま籠城することもままならず、仏頂面でバスルームから出るしかなかったヴィヴィ。

「こら、ちゃんとフード被れ。イースター・バニーちゃん」

 乱れた金の頭にアイボリーのウサ耳が付いたフードを被せる兄は、心底愉しそうで。

「……~~っ このド変態っ」

(てか、ど腐れ外道めっ!!!!)

「あはは。じゃあ、ジェンガしような?」

 白い歯を見せて破顔する兄をフードの下から睨み上げた妹は、とっとと元いたリビングへと戻りジェンガタワーを積み上げ始めた。

 ジャンケンで順番を決め、各々 長方体のブロックを抜き取っては積み上げていく。

 そんな単純なゲームにも関わらず、18段のタワーを睨み付けながら慎重に事を進めていくヴィヴィに対し、

「覚えてるよ。双子がウサ耳のカチューシャして、エッグ・ハントしていたの」

 そんなどうでもよい昔話を囁いて寄越す匠海は、憎たらしいほどに余裕綽々だった。

 もう後が無い妹は兄の言動を全て黙殺し、悲願の一勝を目指してゲームに取り組んでいたのだが。

 目深に被らされたフードから垂れる長い耳を、撫でたり撮んだりしてちょっかいを掛けてくる兄に、

「触るな」

 妹は一瞥もせず、そう言葉だけで制する。

「どうして?」

「気が散る」

「ふうん、集中力無いんだな」

「……――っ」

(んだどぉ、ごる゛らぁ~~っ)

 一度は五輪トップを極めたトップアスリートに対し、あまりにも失礼千万たる物言いに、思わず心の声が口汚くなる。

 だが、そこで集中力を途切らせたのがいけなかった。

 他のゲームに比べて両者の実力は拮抗し、匠海の番でタワーが不気味にしなったにも関わらず、

 その次のヴィヴィが「もう抜けるジェンガ、無い……っ」と焦りながら、何とか下から4番目のブロックを抜き取った途端、

 無残にもタワーは傾ぎ。

 崩れ落ちるタワーのけたたましい大音量と共に、ヴィヴィの一縷の望みも粉々に砕け散っていった。

/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ