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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第14章        

 頭の後ろがジンと痺れ、ソファーにもたれ掛った全身は虚脱していた。

 匠海が与え続けた口付けは、性急かつ貪欲で。

 体液の交換と粘膜を擦れ合わせる淫靡な行為は、数え切れぬほど兄と交わしたセックスを連想させるものだった。

 震えていた身体は今や、抱き竦められながら与えられた熱で くたりと弛緩し、

 恐慌を来していた思考は、意味あることを考えることすら許されず、

 そして、怯えを浮かべていた双眸は、

 バスローブから伸びた両脚を恭しく持ち上げていく、床に座り込んだ男を見下ろしていた。

「ヴィクトリア……」

 つい先刻まで軽やかに踊っていた太ももから、オフホワイトのタオル地が滑り落ち。

 労わる様に内股に押し付けられた唇の熱さに、脚の付け根が しくりと泣く。

 ローブ以外何も身に着けておらず、兄の目前に晒されてしまった薄紅色の秘裂。

 いつもは慎ましやかに閉じられているそこは、綻び始めた蕾のように微かに解れ、

 金の産毛と共に、朝の光に微かに輝いていた。

 薄い陰唇を唇で食み引っ張られると、知らぬ間に分泌していた蜜がトロリと滴り。

 それを掬い取った舌が、まだ剥けていない花芯に透明な蜜をまぶしていく。

 腰に響く刺激に耐えられず震える太ももを、大きな掌が宥める様に撫でさすり。

 ふいに核心を吸い上げられると、潤った唇から漏れる吐息は深さを増した。

「ヴィクトリア……こっち見て。俺を見ていなさい」

 男を見下ろしていた筈の瞳は、今や薄らと細まり虚空を見つめており。

 それを窘めた匠海は妹と視線が合ったのを確認すると、舌全体を使い表層を虐め始める。

 熱くぬめったものに、敏感なクリトリスも膣口も同時に舐め上げられ。

 白い咽喉から漏れていた頼りない吐息は、今や細い喘ぎを断続的に漏らしていた。

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