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第14章 　 　　 　　

　身に纏っていた衣服を全て脱ぎ捨て、狭い膣口に強引にカリ首まで捻じ込んだ兄は「は……っ」と息を吐き、

　ソファーの背にもたれている妹に、己の両脚を抱えさせた。

　そうされれば、兄を受け入れている薄紅色のそこが、視界に入って、

　思わず息を呑んだヴィヴィは、まだ亀頭しか含まされていないそこを締め付けていた。



『……もう充分解ってるんだろう？　俺がどんなに酷い男かって――』



　昨夜　兄が絞り出した言葉を、火照った躰の芯で噛み締める。


　酷い

　本当に、酷い男――

　どれだけ拒まれ抗われても

　この女なら最終的には受け止めてくれる

　そういう勝算が

　自負が

　本当はあるくせに――


　細く狭い膣口を見据え、感触を味わう様に　ゆっくり腰を落としていく男。

　その頭の中にはきっと、昔の女を再び墜せた――そんな征服感しか無い筈なのに。

　伏し目がちの灰色の瞳と、男のものとは思えぬ長く濃い睫毛に、雄の色気を感じた。

　奥深くまで挿入されたかと思えば、亀頭だけを残し　ずるりと抜かれていく肌色の肉の棒。

　出し入れを繰り返す度に　ぬらぬらと濡れ、朝日を跳ね返す逞しいそれ。

　息を詰め　その様子を見下ろしていたヴィヴィだったが、

　己の中で硬度を増しつつ、肥大していく兄を感じる程に、

　心も躰も、与えられる快楽一色に塗り潰されていった。



　片手では足りぬほど独りで達して。

　唇だって何度となく、許し与えてしまった。

　快楽のしるしをトロトロ垂れ流しながら、従順に心も躰も明け渡していく妹の様子に、

　兄はというと至極　満足気だった。

「ヴィクトリア……、こっち向いてごらん？」

　座面の上、胸にクッションを抱きかかえ伏したヴィヴィに、

　小ぶりな尻を掴みながら、後背位で啼かせていた匠海が命令する。

「ン……、ぁ、ふ……ぅ」

　言われた通り、気怠るげに背後を振り返った妹だったが、乱れた金の髪が邪魔で兄の姿は捉えられなかった。