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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第14章        


 遠ざかっていく列車の音。

 そして、

 神々しいまでの白のスポットライトは、暗闇の中へ跡形も無く掻き消えた。







「ひぁ……っ!? ふっ ……ンん゛ぅっっ」

 くぐもった喘ぎに被さるのは、微かに軋みを上げるスプリングの音と、

 バツバツと互いの肌を打つ音。

 翌日へと日付が変わる頃。

 ベッドサイドの仄かなランプが照らし出す女は、枕に顔を埋め後背位で揺さぶられていた。

 腰上にわだかまった紺地に赤ラインのタータンチェックスカート。

 その上から大きな掌で腰を掴み直されるだけで、強い男に征服される悦びに心が震え。

 上へ反り返った亀頭の先で、尻側の良いところを狙い澄まし抉られるだけで、

 白カッターシャツの半袖から伸びた両腕が、腰砕けになりそうな快感を少しでも逃がそうと、必死に枕を握りしめた。

 2日間4公演のショーを勤め上げた興奮もあってか。

 全ての関節が痺れる程に深く感じ入った華奢な躰は、半分程埋められた実兄のものを喰い締めながら達した。

 理性も及ばぬ突き抜けたところへ ふわりと放り出された妹を、

 より高みに昇らせようとする兄がキツク収縮した膣口を指で辿り、か細い悲鳴を上げさせる。

「ぅあ……、も、だめぇ~~」

 ビクビクと全身を震わせ逃れようとする妹に、兄は結合部をなぞる指を止めて問うてくる。

「じゃあ、これ脱いでくれる?」

「……やぁ……」

「制服姿のヴィクトリアも大好きだけど、スベスベの肌も捨てがたいんだけどな」

「…………イヤ」


 長かった日本での滞在期間。

 それも今夜で終わりを迎える。

 「来るんだろうな」と高を括っていたヴィヴィの予想通り、匠海は篠宮邸へ現われ。

 そして前回と同じく有無を言わさず兄の寝室へ踏み込んだ妹は、何故かBSTの夏服を着こんでいた。

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