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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第15章     

 要するに――ジャンナはヴィヴィから「今季のSPはパガニーニやる」と聞き「じゃあ、ラフマニするのね!!」と早とちりをしてしまったらしい。

「うぅ……でも、私ちゃんと言ったよ? 「ルトスワフスキ やります」って。なのにジャンナったら、曲名聞いただけで盛り上がっちゃって……」

 隣の席のクリスにチラチラ視線を送りながら、言い訳をするヴィヴィに、

 テーブルに両手を突いて立ち上がったジャンナは、くわっと緑の瞳を見開いた。

「フィギュアと言えばラフマニノフでしょ!? アンダンテ・カンタービレでしょ!? ♪チャ~ララララ~~♪ ♪チャ~ラ~ラ~ラ~~♪ でしょっ!?」

 同曲の24ある変奏の中で1番の盛り上がりどころ、第18変奏のメロディーを歌いながら主張してくる振付師に、

「まあ、確かに……。あの調べに乗せてステップを踏むヴィヴィは、さながら “妖精” の如き神々しさ、かもしれない……」

 ワイングラスを傾けながら、珍しく饒舌?に同意したクリス。

「そうよね!? 今からでも遅くはないわ。クリスと合わせてヴィヴィも “妖精” になっちゃいなさいよ!」

 双子の兄の今季のSP――バレエ『薔薇の精』に掛け からかってくるジャンナに、華奢な肩を落としたヴィヴィは胡乱な瞳で答えた。

「……妖精さんは、クリスだけで充分……。それに――」

「それに……?」

「うん。もし、ラフマニノフを選択していたとしても、アンダンテ・カンタービレは入れなかったと思うし」



――――
※セルゲイ・ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」
 https://www.youtube.com/watch?v=FJVXqpZt14c&feature=player_embedded

※ヴィトルト・ルトスワフスキ「パガニーニの主題による変奏曲」
 https://www.youtube.com/watch?v=2oZlXY2M8ms

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