この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第16章     

ようやく唇を解放された妹は、飄々と前述の問いを口にする。

「で、仕事、終わった?」

「……はぁ……。もう持って帰る」

「お兄ちゃん」

「ん?」

「セックス、する?」

「――っ お前がここに現れてから、どうすればどう口説けばホテルに連れて行けるか。それだけに考えを巡らせていたよっ」

余裕を欠いた欲情を兄に認め、妹に浮かんだのは少し安堵を覚えた表情。

気持ち良い事は好き。

兄とするのはもっと好き。

でも一番欲しいのは、確認したいのは、まだ私に欲情しているという証拠。

一瞬、薄い唇からこぼれそうになった「お姉さんが命を懸けて二人目生んで間もないのに、もう不倫出来るんだ?」という言葉をすんでのところで飲み込む。

小さな頭の中にちらついたのは「3Pしてあげる」と挑発した時の、心底憔悴しきった匠海の表情。

(………………)

「変態」

自分から「セックス、する?」と挑発したくせに、そう詰ってくる妹に、兄は盛大に肩を落としたのだった。

「はぁ……。もう今日は、とことん苛めてやるからな」 



兄の香りが濃くなったと思った。

そうか、

自分が年を重ねたように 兄も年を重ねたのだ。

ふっと嗤いが零れる。

私の知らない日常で、兄が手にした香り。

私の知らない、匠海が過ごした日々が、その芳香に凝縮されている。

そのことに気にして、兄が「何?」と問うてくる。

「なんでもない」

兄も同じ様に、私が年を重ねたことを、何処からか感じているのだろうか。





/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ