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今年も桜見ていいですか
第4章 厄介者

『数学室までお願い』

そう言いながら、私は先生と歩き出した。


お互い話すこともなくて、ただ6月の

風を感じながら、人が少なくなってきた

廊下を歩いていた。


数学室について、先生に指示された

ところにノートを置いて出ていこうと

したら、


『もう少し時間ある?』

ちょっと真剣な一色先生の眼に


私は断ることも出来ず、ただ時間が

あるとも言えず、ドアの前に

立ち尽くした。



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