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SA
第14章 15年前
「でっかい立派な山作ったなぁ!すごいなぁ!」



男の子は顔をあげて俺を見た。

…この顔は怖がってるな。



自分でも自覚してるけど、見た目はイカツイ。
女子供に最初から懐かれるタイプではない。
でもあからさまに怖がられると、ちょっと傷付く。






さっきコンビニで買った【おすなばセット】を袋から出す。


「おじさんな、友達からこれもらったんだけど子供いないんだ。ボウズがもらって使ってくれたら助かるんだけどな…」




あ。ちょっと顔明るくなった。



でも男の子は俯いて

『知らない人に物もらっちゃダメだから…』
小さな声で言った。





…だよなぁ。

でも持って帰ってもしょうがないしな。



「じゃあここの砂場に置いとくよ。おじさん使わないから。ここに置いといたら誰か使ってくれるだろうし。ボウズ、暗くなる前に帰れよ!」



そう言って、【おすなばセット】を置いて帰宅した。



リビングから公園をみると、男の子はしばらくはチラチラと見るだけだった【おすなばセット】を遠慮がちに使い出した。


ほんのちょっとだけ、表情が明るくなった気がした。

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