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第15章 15年前 2
砂遊びは好きだったけど、何も道具を持っていなかったので、できることは限られていた。


そこで、近くのごみ捨て場から
空き缶や空き瓶を拾ってきて使った。

キレイな山やビルが作れた。
誰かに見て欲しかったけど、誰も見てくれる人はいなかった。


近所のおばさんにごみ捨て場を散らかすなと叱られた。


また素手で砂遊びを始めた。




素手での砂遊びがしばらく続いたあと、熊みたいに大きなおじさんが【おすなばセット】をくれた。
知らない人から物をもらうのは怖かったので断ったら、おじさんは置いていった。

本当にいらないの?

恐る恐る使ってみる。
楽しかった。



次の日、おじさんは今度はお菓子をくれた。
砂で作ったお城を褒めてくれた。



おじさん…きっと良い人だ。
死んだおとうさんを覚えてないけど、おじさんの温かさはなんだか懐かしかった。
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