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第13章 ご主人様との過去。

「俺が転校した理由…親の都合だった。
その都合ってさ、後からちゃんと知った。

浮気ばっかして一度は俺らを捨てたクソ親父が、女と別れたから、俺の元に来い。身勝手な都合。

でも、母さんは一人で俺を育てて、金だって稼ぐのも大変で、ボンボンなクソ親父の所に行く事にした。

俺は、転校なんてしたくなかったのに。

親父は、デカイ会社の社長で、裕福な生活を送れはしたけど、俺は金よりも欲しい物があったんだ。

ガキの戯言だったかもしれない。

だけど、俺は何よりも亜子の事が一番欲しかった。

亜子と二人の時間が。

亜子との全てがほしかった。

だから、転校して暫く経ったころ、親父の財布から勝手に金を持ち出して、
亜子に会いに行ったんだ。」