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あたかも普通の恋愛小説
第14章 一分一秒


「小鳥が可愛いから。俺なんかすぐ捨てられる気がして。ごめん。相手が井藤ならなおさら無理とか思って」

「郎太、かわいい」


私は郎太にちゅ、とリップ音をたててキスをした。


「服……今度お詫びに新しいの買ってあげるから許して」

「ふふ、すごい力持ち。私、服を破るひとはじめて見た」


郎太は申し訳なさそうに頭をかいている。反省する郎太も可愛い。


「いいの。だいすきだから。それに男女問題はお互いの責任なんでしょ?郎太も不安だったんだよね?私にも責任あるんだよ」

「これは怒ってくれてもいいのに」

「怒ってないけど……さっきからむずむずしちゃって。郎太に愛されちゃいたいんですけど」


好きっていうより恥ずかしい告白。誤解がとけたらいつも以上にむずむずしちゃって、ちょっと我慢なりません。


「暴力男は反省中で役に立たないかもしれないよ」


繊細な心の持ち主らしい郎太が申し訳なさそうに俯いた。私は郎太の服をひんむいて反省中の子を慰めた。

いいんだ。別に挿入だけがえっちじゃないし。郎太のこと全身くまなくぺろぺろして味わいたい。私の、ってマーキングしたい。


「郎太の歯形。このままずっと消えないといいなぁ。。」

「え、何で。こんなの今すぐ消えてほしい」

「えー?やだもん。郎太の証拠をいっぱい私につけて残しときたい」


途端に。


「わ、」


郎太の反省中だった子が顔を上げた。むくむくと元気になる。


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