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あたかも普通の恋愛小説
第8章 恋愛性理論


「好きすぎて頭おかしくなる」


そんな殺し文句を囁いて真壁さんが私を抱きしめた。


「すき」


気の利いたこと言えない私はただ真壁さんの首にしがみつく。


私の服を一枚一枚脱がして、素肌の肩を撫でる男らしい手のひら。少し汗ばんで緊張しているのがわかる。それもまた愛しい。

私だけ裸にされて、広いテーブルに寝かされる。まるで標本に磔になる蝶々の気分。白衣のまま私をじっくり見下ろす真壁さんの眼差しが熱くて。

私の乳房を労るように下から指の背で軽く撫でる、乱暴されてついた痕を眺めてから真壁さんは私を見た。


「どうしよう、俺優しくないかも」


私が痣だらけで、だから余計に壊れ物みたいに見えるのかも。


「大丈夫…真壁さんのすきにして…?」

「ほんとに?もしかしたら俺変態かもわからないよ?」


もう。


「真壁さんかわいい」


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