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あたかも普通の恋愛小説
第8章 恋愛性理論
ところが。安心するのはまだ早かった。幸せというのは一朝一夕。
哀しいかな、そんなにうまくはいかなかったの。
まず第一に仕事のノルマがぜんぜんこなせてなくて、研修が入ったこと。
第二に真壁さんの学会の何かが忙しくなってぜんぜん会えない放置プレイなう。
おかげでまだデートとかしてない。
第三に井藤くん。
「なんでいるの?真壁さんが忙しいんだから井藤くんも一緒でしょ?」
「いやぁ。俺は真壁ほど真面目じゃないし?」
ちょいちょい現れる井藤くん。
「真壁に会えなくて小鳥ちゃんが寂しい想いをしちゃってるんじゃないかと」
「大きなお世話です」
私が真壁さんの彼女になったのを知っても、馴れ馴れしく肩を抱いたりしてくる。真壁さんは井藤くんのこといい奴って言ってたけど、やっぱり軽いひとよ。