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大地の恋
第1章 幼馴染みの弊害
そしたら二度と過ちなんて冒さないから。



「そしたらママが悲しむだろ?…俺おまえのママもう悲しませらんねーよ」


泣き虫だった真優は最後の最後で泣かなかった。


あの時、泣いて責められた方がどんなに楽だったろう。


泣き虫を泣かせてやることさえできなかった俺だ。



「…ゾウさん」


無意識に回したチャンネルは動物系の専門チャンネル。


「ゾウ好きか?」


「カバさん」


「そうそう、カバだな」



悠月はテレビに映る動物の名前を呼んでいる。


「悠月は動物が好きか?」


「キリンさん」


「子守り押し付けられたとはいえ勝手に連れ出せねーしな」


動物に目を輝かせる悠月を見て、動物園を浮かべながらここからの距離を考え断念する。


「そうだ、悠月犬見るか?」


はす向かいに柴犬が居たことを思い出すと悠月に尋ねた。


「……わんわん」


「そうそう、ワンワン」


「わんわん」


悠月のテンションがアガる。
ホッとして外に連れ出し犬を見せると大喜びで……


「わんわん!」


「ははっ、犬好きなんだな」



ひとしきり犬を見てそれから近所の公園に連れて行く。
相変わらずこの公園に人は居ない。


俺はベンチに座り、悠月はアリを見つけたり石を集めたりしていたが気づけばどこから見つけてきたのだろう。
サッカーボールを持っている。


「おっ、いいモン見つけてきたな」


悠月からボールを貰い、ドリブルすると悠月が興味深そうにその様子を見ている。


「悠月パス!」


悠月に向かってボールを投げると悠月を通り越しボールは転がっていった。


「あー…取るんだよ、取るの。もう一回!」


今度はコロコロと転がしてやると悠月がキャッチする。


「そうそう、うめーじゃん。ホラ!」


こっち寄越せと手を広げると悠月も俺に向かってボールを投げる。


「おお!上手い上手い!」


そんな風にしばらく二人で遊んでいると犬を連れたおばさんが公園にやって来た。














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