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大地の恋
第4章 再会
「何でも奢ってやる」と言ったけど、時間も時間なので結局居酒屋にやってきた。


「ホラ、腹いせに好きなだけ食え!」


「板橋さん…ホントムカつきますね」


千花ちゃんは珍しく酒を飲んでいる。
そんないつもと違う行動が少し胸に痛い。


「千花ちゃん酒飲めたんだな」


「少しだけなら…っていうか飲まなきゃこの間は保てませんって」


チビチビビールを飲む千花ちゃんを見ながら心の中で謝った。


俺たちはいつも通り話し、食事をしていたが…



「おい、千花ちゃん」


「………」


ビール半分で千花ちゃんが潰れた。


「何が“少しだけ”だよ、こういうのは飲めないって言うんだよ」


以前林が「また飲みに行こうな」なんていってたけど……


目の前で眠る千花ちゃんはこんな時でも無防備で、
跳ねた前髪に手を伸ばしながら考えてしまう。


あの日は田島さんの飲み会の日だった。
林と飲みに行かせた原因は俺だったりするんだろうか……


「…馬鹿だな、千花ちゃん」


俺なんか好きになって。



気がつけば前髪を直していたはずが頭を撫でていた。
もっといい男なんて山ほどいるだろうに……











あの日、俺を救い出してくれた千花ちゃん。
こんな優しいいい子は俺には勿体ない。



「ごめんな…」


応えられなくてごめん。





それからも起きない千花ちゃんを仕方なく背負って自宅まで連れていく。


華奢な千花ちゃんは軽くて、でも密着した背中に籠った熱が心地よく感じられた。


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