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大地の恋
第4章 再会
「元カノは幼馴染みだし…今までみたいに好きじゃないって言ってもやっぱり大切な存在に変わりはないと思う」


「………」



「つくづく面倒くさいよな、俺」



「…私、ずっとみっちゃんが私たちを大事にしようとしてくれるのが不思議だったんです。…だって厄介じゃないですか。血の繋がらない子供ですよ?」



千花ちゃんは俺を見て、それから空を見上げた。



「チビたちが生まれたら尚更邪魔じゃないですか。…お母さんのことだって」



千花ちゃんの継母…
あの日見たその人はそんな風には見えなかった。
その事を言おうと息を吸うと先に千花ちゃんが言葉を発する。


「でもね、分かったんです。みっちゃんが私たちを大切にしてくれるのは…お母さんを大切にしてくれるのはお父さんが好きだからなんですよね」


「………」


「もちろん今はそれだけじゃないですよ。私たちとみっちゃんの間にも築き上げてきたものがあるから…でもその根本はみっちゃんがお父さんを好きで…だからなんです」



再び千花ちゃんの顔が俺に向く。
大人びた笑顔を浮かべ、真っ直ぐに俺の目を見つめる。



「今の板橋さんがあるのは元カノさんとのことがあるからなんですよ。…だったら私はその気持ちごと受け止めます」



「……嫌な思いすることもあるかもしんねーぞ」


「そうやって受け止めてきた人を身近でずっと見てきましたから大丈夫、きっと」


「………」


鼻の奥がツンとする。
目頭も熱くて…悟られないよう下を向いた。



「あー、でも浮気はさせませんよ」


「しねーよ、懲り懲りだ」


「ふふっ」



千花ちゃんの笑顔に柄にもなくドキドキする。



「…千花ちゃん、あのさ」


「何ですか?」


「キス…してもいいかな」



千花ちゃんの目が丸くなり、顔が赤くなった。



「………」



そして恥ずかしそうに頷いて。



「じゃあ…目、瞑って」



目を瞑った千花ちゃんを確認して唇を近づける。
一瞬触れただけのキスに年甲斐もなくときめいた。







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