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第4章 再会

ーーーーそれから三ヶ月。
俺は千花ちゃんと大学時代の友達の旅館へやって来た。



「……立派な旅館ですね」


千花ちゃんはどことなくいつもと違う。
多分、意識してるのだろう。



「実は俺も初めて来たんだよな」


「へえ…」



この三ヶ月、何故千花ちゃんに手を出さなかったかといえば…



「でもお父さんたちが旅行許してくれて良かった」


「…私は大人だから親の了解なんていらないのに」


「美雪さんの方が俺を警戒してるのは何でかな」


「一度私を振ったからじゃないですか？」



クスクスと思い出し笑いする千花ちゃんに苦笑い。


ーーーこの三ヶ月、まず俺がしたのは千花ちゃんのご両親への挨拶だった。
千花ちゃんと付き合うならきちんとしたいと思ったから俺からすればごく当たり前の行動だったのだけど…




「でも板橋さんがそんな堅苦しいことする人だなんて思わなかった」


「…真面目に付き合うならちゃんとするだろ」


「ふーん」


千花ちゃんを背中から抱きしめる。
千花ちゃんはビクッと反応して顔を真っ赤に染めた。


「千花ちゃんは慣れないな」



「な、慣れないですよ」



抱き締めただけで千花ちゃんの高鳴りが伝わった。



「お土産、沢山買って帰りましょうね」


「そうだな」


「あ、板橋さんのお母さんに温泉卵買ってきてって言われてるんですよ」


「いーよ割れるから」


「……だから板橋さんじゃなくて私に言うんですね」



「まあ…温玉は置いといて出掛けねぇ？」


「お友だちに会わなくていいんですか？」


「忙しいみてーだから夜来るってさ」


「板橋さんのお友だち…楽しみだな」


「チャラいぞ」


「へぇ…」



それからお互い浴衣に着替え、温泉街に出掛けた。