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大地の恋
第4章 再会
「会社で?」


「そうです。お昼にちょっと呼び出して」


「……全然知らなかったな」


「板橋さん出てたんじゃないですかね?」


即座に“二人きり?”とか“どこで?”なんて事が浮かぶけど、素直に口にはできなかった。


「挙動が不振ですがどうかしました?」


「いや…気のせいだろ」


「…そうですか?」



千花ちゃんはしばらく迷って水色の硝子玉をあしらったストラップに決めたようだ。



俺は強がって平静を装い目の前の商品を眺めていた。……が、胸中は悶々としていた。



「板橋さん」


「んー?」


「何か気に入ったものでもありました?」


「そうだな…土産にいいかもなこういうのも」


視線はそのまま何事もないように返す。


「板橋さん」


「何だよ」


「素直じゃない板橋さんは可愛くないですよ」


最後、悪戯な笑顔を残しレジに向かおうとする千花ちゃん。
ムッとしてすれ違い様にストラップを抜き取った。


「生意気」


「えっ?……あ、」


それをレジに出し支払いを済ますと小袋を千花ちゃんの頭に置いた。



「ん」


「…買ってくれるんですか?」


「それ以外ないだろ、ほら」


「ありがとうございます」


嬉しそうな千花ちゃんの素直な反応にドキッとして、学生かと一人で突っ込んで照れを隠す。



そしてまたブラブラと歩き始めると懐かしいものを見つけた。
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