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大地の恋
第4章 再会
部屋に戻ると大友から着信が来ていた。
折り返すと8時頃になるらしい。


「友達、8時頃になるってさ」


「はい」


「そいつ大学ん時デキ婚してもう二人子供がいるんだよ」


「へえ…奥さんとも友達なんですか?」


「そう、そんな親しくもなかったけど」


他愛ない話をしたりテレビを見たりしていると夕食が運ばれてくる。


二人で夕食を取りまたまったりとしていると千花ちゃんが立ち上がった。


「私…もう一度温泉に入ってきます」


「ああ…俺も行こうか?」


「いえ、私長湯だから…その間にお友だち来ちゃったら困るでしょ?」


時計を見ると時刻は七時を回っていた。


「んー…じゃあ気を付けて」


「はーい」



そして千花ちゃんが行ってから少しした頃。
トントンと部屋のドアが鳴る。


「ーーー千花ちゃん?」


「じゃねーよ、俺だよ俺」


大友か……


予定より大分早い来室に苦笑いしてドアを開けると……



「……随分社会人らしくなったんだな」


「第一声がそれかよ」


「予定より随分早えーじゃん」


「…大地に会いたくて仕事頑張っちゃった」


「キモ!」


「酷っ!」


卒業してすぐ関西に行ってしまった俺と実家を継いだ大友が会うのは卒業して以来だった。


それなのに学生時代の友人というのは…
過ごした時間以上の時が過ぎていても一瞬で学生時代に戻れるから不思議だ。


「莉子ちゃんは?」


「元気元気。今日は子供の用でいなかったけど莉子も女将見習いで旅館に出てるんだよ」


「へえ…子供いくつになった?」


「年長と年中」


「すげーな」


チャラかった大友も今ではすっかり副支配人で父親だ。


大友はゴッソリと酒とつまみを持って来て、俺たちは早速ビールを開ける。


「彼女は?」


「温泉」


「うちの温泉なかなかいいだろ」


「すげー良かったよ」


それから大学時代の思出話やこれまでの出来事を話しながら飲んでいるとあっという間に大友の酔いが回る。


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