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大地の恋
第5章 幸せの形
「あ、る、こ~あ、る、こ~わたしは元気~」





大地と会ったあの日から、また随分の時が経った頃。



実家に用事があった私は桃とまだ歩けない三番目の子を連れベビーカーを押して歩いていた。


「こんにちは」


「あら真優ちゃん」



大地の家の前で大地のおばさんに出会う。
おばさんの腕にはうちの三番目と同じくらいの女の子が抱かれていて。


「…もしかして」


「そう、大地の子」


おばさんは嬉しそうに笑いその子を私に見せてくれる。


「えーっ、話には聞いてたけど初めて会ったね」


「大地もここには住んでないからね」


その子は小さい頃の大地に似ていた。
本当に大地の子なんだなって思ったら言葉にできない感情が湧き上がる。


友達より近く、青春時代を共有してきた大地の…


「……抱っこしたら泣いちゃう?」


「以外と人見知りしないから大丈夫よ」


おばさんに大地の子を抱かせてもらう。


「こんにちは」


「………」



当たり前だけど赤ちゃんは不思議そうに私を見て…そして笑った。



「あはは、笑った!可愛い」


「でしょでしょ?」


自慢気なおばさんも微笑ましい。


「おめめクリクリで美人さんになるね」


「でしょー?」


相変わらず赤ちゃんは泣くことなく良い子に抱っこされている。


「今日大地は仕事?」


「今ね、お嫁さんに付いて病院に行ってるの。二人目ができたみたい…ってね」


「えっ!そうなんだ!?…じゃあおばあちゃんとお留守番だね」


「そう、だからガールズトークしてたのよねー」


「ガールズトーク・・・」


相変わらず大地のおばさんは面白い。
赤ちゃんを抱かせてもらったままおばさんに聞いてみた。


「元気?大地は」


「お陰様で」


「良かった」


「…気になる?」


「ええっ!?」


「真優ちゃん大地の事気になっちゃう?」


おばさんが冗談めかして私を肘で突いてくる。


「もう…嫌だな。幼馴染みだもん普通に気になるでしょ」


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