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隠匿の令嬢
第6章 恥じらう乙女と卑猥な遊戯


 レオの凄さを知り、改めて感心しつつも淋しさや悔しさがあった。二人に聞くまで何も知らず、アリエッタは過ごしてきた。


 共に過ごす時間はあっても、重要な話をする間柄ではないと思い知らされた気持ちになる。心に霧がかたったようになるのは、アリエッタに自信がないからでもあった。


 アリエッタが僅かに浮かない顔でいれば、それを察したようにナキラが教えてくれる。


「私達、いつもレオ様のお仕事を知ってるわけじゃないんですよ。ジョシュアさんならともかくとして。ただ今回は事情が事情なだけに、私達のお給金の支払いが2、3ヵ月滞るかもって説明があったから知ってるだけで」


「そうそう。僕ら別にお給金のためだけに働いてるんじゃないってのに。今までも結構こういうことあったけど、結局滞ったこと一度もないよね?」


「ですね。それにですよ。家族がいる者にしてみれば給金の滞りは重大ですけど、普段から他のお邸の使用人より戴いてますから大して打撃はないですよ」


「本当にレオは凄いのね。私ったらなんにも知らずにいたわ……。情けないわね、私」


「アリエッタ様……」


「あ、ごめんなさい。私ももっと自分で出来ること探さなきゃね。レオの役に立てないまでも、せめて足手まといにならないようにしなきゃ」







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