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隠匿の令嬢
第20章 アリエッタの愛


 レオはスケッチブックを閉じ、使用人たちに指示を出しているジョシュアを呼ぶ。


「ザキファス公爵夫人を呼んでくれないか」


「かしこまりました」


 アリエッタが公爵邸を出て行った経緯を知っておきたい。それに説明と謝罪もしなくてはならない。


 レオが赴くべきなのだが、公爵がいる前では話せないこともあるだろうと、夫人を呼ぶことにした。








「わざわざお越しいただき申し訳ありません」


「いえ。カンターヌへ行かれる最中でしたのに、娘のために戻ってきていただけたこと、感謝致します」


 公爵が仕事で外に出ている隙を狙い夫人に手紙を届けさせると、受け取った彼女は翌日、また公爵が出掛けている時間帯にレオの邸に訪れた。


 夫人は心労からか、以前よりもやつれている。


「使用人が出払っているため、大したもてなしは出来ませんが、どうぞお寛ぎください」


 そんな夫人を気遣うと、アリエッタを思い起こさせる儚げな笑みを浮かべた。






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