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隠匿の令嬢
第21章 その世界、色鮮やかに



 一糸纏わぬ姿で寝台に横たえられ、ドキドキと高鳴る心臓は留まるところを知らない。


 それは緊張とも羞恥とも幸福とも取れるもので。


 覆い被さるレオの重みや肌の滑らかな感触にいっそう増す。


 念入りに口腔を愛撫され、それだけで気をやられてしまいそうなほど蕩けてしまう。


 二人の間で潰れる胸から大きく打つ鼓動が伝わってしまうくらい密着し、それが嬉しくて堪らない。


 呼吸を忘れて繰り返す口づけも、境目が無くなるくらいにくっつき、熱をありありと感じさせる肌も。


 レオを見送ったときに再び感じることはないだろうと覚悟していただけに、喜びも幸福も高鳴りも身体に収めきれないくらいに溢れている。


「夢みたいだ。こうしてまたアリエッタに触れられてる」


 嬉しいのはアリエッタだけでないようで、甘く囁いたレオはまろみ膨らむ胸を優しく掌で包み込む。


「私もよ」


 アリエッタもレオの胸に手を這わせると、アリエッタに負けないくらい鼓動が打っていた。





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