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隠匿の令嬢
第22章 エピローグ



 離縁したと聞いたときは、それはそれはショックを受け、そうさせた要因が自分にあると思い落ち込み。


 両親や妹の人生をアリエッタの愚かな行動で狂わせてしまったのだと後悔した。


『夫人は離縁したことをなにひとつ後悔されてない。アリエッタのせいではなく、娘と自分のために離縁したとおっしゃってたぞ』


 レオはアリエッタにそう諭す。


『それでもアリエッタが辛い気持ちに耐えられないときは、俺がいつでも傍にいて支えていく。それを忘れるな』


 こう言って励ましてもくれた。




 父と解り合えぬままあんな形で別れたのは本意ではなかった。


 祖父と確執のあった父がアリエッタの瞳や髪の色を見ると、祖父を思い出してしまうことも、昔祖父から聞いて知ってはいた。


 だから薄々は愛されていないとも勘づいてもいて。しかしアリエッタの絵を最初に認め、褒めてくれたのもまた父だ。


 両親が離縁しても父娘の縁が切れるわけではない。レオが努力をし、再びアリエッタとの縁が結ばれたように、これからはアリエッタももっと努力をしていつの日か父と解り合えるようになりたい。


 そう思えたのは支えていくと言ってくれたレオがいるからだ。





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