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フライングバタフライ
第1章 始まり
「どう、気持ちいい?」

正常位で腰を振るヒデキを見上げながら、ユミはぼんやりと考えていた。

(こいつ、大事な時にいつも鼻毛出てんだよなぁ。)

「気持ちいいのかって聞いてんだよ。」

「あ、ああうん、気持ちいいよ。すごく・・・あんっ。」

(だからセックスは嫌いだ、男はいつも自分の達成感ばかりを気にしてる。)

「そうだろ?今日ヤバくない?」

(あー、早くイかないかな、こいつ。)

「今日も一緒にイこうぜ。・・・あ、イク、ユミ!」

どくんどくん。

(それでもあたしの中のコンドームの中で脈打つこいつのチンコは嫌いじゃない。)

(でも・・・終わったあと、急にそっぽを向くこいつが嫌い。)

そして、なにより。

「・・・気持ちよかった、一緒にイけてよかったね。」

(自分を偽ってる自分が大嫌いだ。)


いつものボロいラブホで、壁の鏡の向こうの自分を見ながら、ユミはそんなことを考えていた。
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