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フライングバタフライ
第5章 カサイの捜査
ここ数日、カサイはあのナイトクラブを調べてはいるものの、麻薬の売買はおろか、使用者すら発見できずにいた。
しかし、寝ずにゴンドウのことを調べていくうちに分かったこともある。

ゴンドウは麻薬の売買だけではなく、地下コロシアムを経営し、入場料と賭博で莫大な金を生んでいるという。
またそこで得た富で郊外に豪邸を建て、そこでは酒池肉林の乱痴気騒ぎをお越しているらしい。
・・・どちらにせよ早く奴を捕まえねば。

そんな中、カサイは常にユミの写真を持ち歩き、彼女の行方を探るため、聞き込みもしている。
ユミが無理矢理カサイと撮った自撮り写真だ。自分の部分は切り取ってあるが、ユミの笑顔は眩しいくらいに輝いている。

「あれ?そいつバタフライじゃん?」

ある日、安いタバコの臭いが染み付いた頭の悪そうな男が答えた。

「バタフライ?」

「この辺じゃ、有名なファイターだよ。夜な夜なストリートで自分よりもデカイ男を倒したりすんだよ。」

カサイがさらに話を促すと、

「そういや三週間前くらいかな、ここで見たよ、俺らが誘ってるのに断って、背の高い男についていっちまったよ。」
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