パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第10章 依頼人　高橋　美樹

　「私、何をしたんでしょうね。

　　思い付かないんです」

　少女は寂しい目で俺を見つめた。

　「あの人の彼氏だった人に告白されました。

　　だけど私彼の気を引くことなんて
　　何もした覚えがないんです」

彼女は手すりに持たれて遠くを見つめた。

俺は何も答えることができずただ黙って聴いていた。

　「好きだと言われたことが
　　そんなに悪いことだったんでしょうか。

　　その男も彼女が私に嫌がらせを始めたと知ったら
　　すぐに彼女のもとへ戻りました。

　　私を守ってなんてくれなかった。

　　"好き"ってそんなもんなんですね」


　彼女は下を向いて悲しそうに言葉を吐いていた。