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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
「ちょっと 止めて!!!」

いきなりの美樹の怒声に運転手は慌ててブレーキを踏んだ。

そこは目黒の有名焼き肉店の前だ。

今日見かけた<綾瀬>という女がこともあろうに矢崎と一緒に店に入るところだった。

「どういうこと?」

美樹は怒り心頭で叫んでいる。

「矢崎さん、今日は深夜まで現場だって...」

美樹はギリギリと歯をかみしめながら二人の様子を見ている。


「どうやら、本当に痛い目見たいようね。

 遠慮なくやらせていただくわ」


美樹はものすごい形相で瑠璃を睨み付けていた。


「出して」

何かを考えながら一点を見つめる美樹に

運転手は背筋を凍らせた。



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