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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
「瑠璃ちゃん?」

矢崎は駅から少し離れた路地に止まった車に乗り込む瑠璃を見た。

運転手に向ける表情から彼という感じでもない。

何となく気になって後をつけてみる。

車は住宅街のマンションの前で止まった。

「ありがとう」

そう言って車を降りた瑠璃のまわりにマンションから出てきた子供がまとわりつく。

「瑠璃ちゃんお帰り~」

瑠璃は子供たちと楽しそうに話しながらマンションへ消えた。

「なんだ?」

少し離れたところに車を止め様子を見に行く。

エントランスに人影はなく一見普通のマンションだ。
特に変わった表札も見当たらない。

ポストも部屋ごとに別れている。

矢崎はもう一度マンションの外観を眺めた。

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