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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
香川は食堂で女将の手伝いをする瑠璃を見つけた。

「お!瑠璃。

 お前モテるな」

そういってきんぴらをつまみ食いする。

瑠璃にぴしゃりと手を叩かれて

「なんだよ」

と瑠璃を睨んだ。

「わけのわからないこと言ってないで手を洗ってきて」

「ほーい」

香川は食堂の隅で手を洗いながら

「運命の男現るか」

とひとりごちながら瑠璃の元へ戻った。

「瑠璃、最近会社はどうだ?」

「どうって?」

「課長が戻ってきたんだろ?」

瑠璃は香川を一瞥した。

「洋ちゃんのお言いつけ通り

 ちゃーんと無視してます」

「そうか、いい子だ」

そういって瑠璃の頭をグリグリと撫でた。

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