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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
  運命を賭ける瞬間(とき)

 山上に着いたときは、既に明け方近くなっていた。我が家は、薄蒼い朝の空気の中にひっそりと建っていた。たった一日離れていただけなのに、十年も離れていたような気がする。サヨンにとっては、もうこの家こそが我が家であった。
 扉を静かに開けると、夜具に胡座をかいていたトンジュが素早く立ち上がった。
「サヨン、一体、どこで何をしていたんだ!」
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