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目が覚めたら。
第2章 とんでもないことになってました。
 うわ……童貞狩りかよ。

 処女狩りハル兄の鬼畜路線まっしぐらじゃないか。

 あたしは(心は)純情乙女。みさかいなくオトコとヤりたくない。

 しかもそれは、中ダシするまでの……その、長さとテクと持続力があるオトコに当たった場合。それがなければ、風塵と化してしまう。


 なんだよ、あたし。

 どこまで難易度上げるんだよ。



「あそこまで太っていたお前のお袋ですら、一週間で餓死だ。まあお袋さんは他の男からの摂取を拒んだ結果となってしまったが。それくらい、淫魔の体には精液が必要だってことだ」

 親の性事情など詳しく知りたくもないが、たったひとりで、10人分必要な淫魔をあれだけ太らせられたパパって一体……。

 だがパパが実例でいるということは、そうした希有な人間も……。



「そうだ。お前の親父さんの血を元に人体実験をした結果、3回分の射精で10人分の濃度を持つオトコが誕生した」


 なんだろう。

 この横からの視線……。


「僕達だよ、しーちゃん」


 ナツに抱きつかれてしまった。



「僕"達"?」


 怪訝な顔をハル兄に向ければ、ハル兄は面倒臭そうな顔でタバコの火を消した。


「……研究の中心者が、体張らなくてどうする? まぁ……正直シャレのつもりだったんだがよ。俺達兄弟だけが、その実験の唯一の適合者だった」


 つまり――。


「ハル兄かナツに、3回射精させるセックスを5日おきにしていれば、あたしは死ぬことなく生き続けられると?」


 こくりと頷くハル兄を見て、あたしは抱きついているナツごとその場で飛び上がる。


「無理無理無理っ!! そんなの無理!!」


 だって女の敵と、ハナタレクソデブ(元)だよ!?

 幼なじみだよ!?


「……シズ。俺達にも問題点はある。まず、ナツのイチモツは立派でも、早漏だ」


 慌ててナツを見ると、ナツはぽっと顔を赤らめた。
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