この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
目が覚めたら。
第6章 変態王子が暴走しました。2
 


 ふと、愛おしげにこちらを見下ろすナツの眼差しと目が合った。


「おいしい……?」


 息を荒げながら聞いて来るナツに、あたしは笑顔で頷いた。



「……手放せないや、僕」

「……?」

「早く……なんとかしないと。こんなに可愛いすぎる子が、他にとられないように。帰ったらサクラに……ああ、独り言。ふふふ、しーちゃん。髪食べちゃってる」

 頬についていた黒髪をナツが優しく取ってくれた後、ナツはあたしの黒髪を手櫛で梳かしながら、静かな微笑を顔に湛えた。
 
 
 部屋には既に人影はなく。

 あたし達の秘め事が原因なのか、単純に行為が終了したのかどうかはわからない。


 甘く気怠い余韻に浸りながら、やがてナツがあたしの唇を求めてきた時……突然、音楽が鳴り響いた。


「もう邪魔はいやだ」


 舌をねっとりと絡め合う濃厚なキスをしながらも、依然ムードぶち壊す音楽。ナツが煩いと蹴飛ばした荷物から飛び出たのは、音を流すスマホ。


「ナツ、電話……」

「知らない。というか、しつこい」


 発信主は……ハル兄と見えた気がする。それすら確かめていなかったらしいナツが、さらに苛立ったように再び蹴飛ばした拍子に、どこか画面が触れて……通話状態になってしまったようだ。


「ナツ、電話に……」

「いいよ、電話よりしーちゃん優先。ん……しーちゃん、もっとちゅう」



 そんな時だ。




『優先するのは俺様だろうが!!

何時だと思ってやがるっ!!

乳繰りあってねぇで、さっさと帰ってこいっ!!』



 帝王、大激怒。

  
 ブチギレハル兄の凄まじさは、あたしもナツも知っている。


 ……見れば、時刻は5時半過ぎ。

 約束の時間はとうに過ぎていて。


「やばいっ!!」


 あたし達は真っ青になって、慌てて帰る支度をした。 


 

/920ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ