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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2


「んんっ……もっと、ねぇ……」


 あたしの手の平のハル兄が、脈動して硬さを戻してくる。


「んん……びくびくしてる。んんっ、は、ふぅ……っ」

「アホタレ……んんっ、焚きつけて……どうすんだよ」


 ようやく聞けたハル兄の声。

 ようやく見れた、扇情的なオスの顔。


「シズ……。俺のキスと……俺、どっちが好き?」


 キスの合間に、卑猥な水音を奏でながら二者択一を迫るハル兄に、あたしは迷うことなく言う。


「波瑠」


「――……っ、ちっくしょ……また俺が振り回されるのかよっ!」



 ハル兄のキスは止まることなく、夜に淫らな声が漏れる。

 
「ねぇ、すごく……んふ……ぅ、元気に、なった……んだけど……これ、んんっ、どうしよう?」


 全盛期のものではないが、さっきより雄々しくなった。


 これ、ズボンに入らないような。

 入るものなんだろうか。


「はっ、はっ……シズ。入れてもいいか?」


 激しいキスを重ねながら、ハル兄が掠れた声で聞いて来る。


「ん……入る? 苦しいよきっと」

「苦しくても、今なら……イケそうな気がする。入れろよ」

「あたし……が?」

「ああ。お前のペースでいいから……」


 だからあたしが、ハル兄のをズボンに入れようとしたら、大きいチョップが二回下された。


「なんでしまうよ!! ここは、ボケるとこじゃねぇ……だろっ」


 ボケてはいないんだけど。


「入れるのはお前のナカだ」

「え?」

「今で九分勃ちだ。今ならイケそうなんだよ、このチャンス逃してたまるか」

「だけどハル兄、体力戻って……」

「んなもん、気力でカバーしてやる」

「簡単に言うけど、あたし……」


「お前だって、貫かれてぇだろ……」


 ハル兄の舌があたしの耳をまさぐる。


 ハル兄も興奮しているんだろうか。

 キスだけなのに、息が荒い。
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