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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!
「わー! すごっ! めっちゃ綺麗じゃん!」
私たちが宿泊する旅館に到着したのは、午後三時をまわった頃だった。確か、一時からチェックインはできたけど、朝が苦手な私は、昼頃まで寝ていたから。
旅館はやや山の中にある。そのため、周辺には雪がちらちらとあった。私が住んでる地域じゃ雪なんてほとんど降らないから、白一色に染まった景色はなかなか見ることができない。まるで別世界のようで、幻想的だった。
「転ばないでくださいね」
「大丈夫だって」
普段めったに履かないヒールのブーツなんて履いてきたから、若干歩くのが怖いけれど。
建物も、もちろん綺麗だった。石畳の庭に、池。色とりどりの植物が植わっていて、風情があった。
中へと進んでいくと、女将や仲居さんたちが深々と頭を下げて、私たちを出迎えてくれた。
「今日、一泊二日で予約した船越です」
「いらっしゃいませ。ようこそおいでくださいました」
女将たちは私たちの荷物を持つと、部屋へと案内してくれた。
襖(ふすま)を開けると、畳の匂い。
「長旅でお疲れでしょう。まずはゆっくり温泉に浸かって、体の疲れを癒やしてください」