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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!
「麻人ー! お風呂めっちゃ気持ちよかった!」
襖を開けながら報告。だけどそこに麻人の姿はなかった。
「あれ? まだ戻ってないのかな」
女の私より長風呂とは、珍しい。私は髪を拭きながら、座布団の上に腰を下ろした。
テーブルに携帯を放置したままだったのを思い出し、確認すると、メールが一件。麻人からだった。
『娯楽場で遊んでますね』とのこと。
「娯楽場?」
そういえば、女将が説明してくれた中にあったような。卓球やパチスロがあって、宿泊客なら誰でも無料で遊べるらしい。確かに、温泉といえば温泉卓球のイメージだ。
私は化粧水と乳液だけ顔につけ、髪をざっととかしてから、娯楽場に向かった。
「……こっちであってるよね?」
壁にある案内を頼りに進む。浴場を過ぎ、さらに通路を奥の方まで行くと、がやがやと人の声が聞こえた。
「あ、あった」
娯楽場と書かれたプレートを、ようやく発見。
中の様子を窺おうとすると、開け放したままの扉からオレンジ色のピンポン玉が転がってきた。それを追うように、人が出てくる。よく見ると、浴衣姿の麻人だった。