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可愛いヒモの育て方。
第7章 露天風呂へ
麻人は再び歩き出した。歩を進めるたびに、股の辺りがこすれて、中のオモチャの位置がずれるような気がする。
本当は自分のペースで歩きたいのに、麻人に手を引かれてはそれもできない。
ヤバい、ぞくぞくしてきた。男性用だし初心者向けの一番弱いタイプのやつって言ったのに、彩乃のバカ!
心のうちで彩乃に理不尽な怒りをぶつけながら、中のオモチャから必死に意識をそらそうとした。それでも体は汗ばんで、息が上がる。
堪えきれず、麻人に訴えた。
「ねえ……、もう少しゆっくり歩いてよ」
「え? そんな早いっすか?」
早くない。いつもこれくらいだ。
ローターのせいでそのペースがつらいだけなのだけど、そんなこと、もちろん言えなかった。
「下駄のせいで歩きづらいの」
「昼間履いてたヒールの高いブーツの方が、遥かに歩くの大変そうでしたけどね」
答えられず、麻人から視線をそらす。麻人は私の様子を面白そうに見つめながら、それでも歩くペースを落としてくれた。
あと少しで旅館に着く。さらに振動を強くされるのが怖いのもあって、もうリモコンを奪うのは諦めていた。