この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
可愛いヒモの育て方。
第8章 芽生え
「そうだなぁ。BLものでもありかなぁ」
「男どうしのやつ?」
「そうそう。麻人は受けと攻めどっちかなぁ。一見受けっぽいけど、あえて攻めでもありかも。ギャップ萌え? ね!」
「……そこで同意を求められても。男どうしのやつなんて、読んだことないし」
そりゃ、麻人がそっち方面を読みかじってたら、それはそれで驚いてしまう。
「男の子って、どういうジャンルが好きなの? やっぱりSFとか? ファンタジー?」
「そもそも俺、本読まない。漫画もあんまり」
「そうなの? じゃあ、なんでパソコン漁って私の読んでたの?」
基本的にあのパソコンには、女性向けの官能と、昔書いてた恋愛物のファイルくらいしか入っていない。私自身、他のジャンルを書いたことがあまりなかった。
最初は単純に、興味本位で面白がってるだけかと思っていたけれど、わりとがっつり読んでくれているようだった。嫌がらせ半分の私の妄想話にも、耳を傾けてくれていたし。
だからてっきり、麻人は本が好きなのかと思っていた。
「エロか。目的は濡れ場!?」
「……知り合いが書いたエロなんて、こっぱずかしくて読めません。濡れ場はほとんど抜かしてました」